第706回 パランティーアと軟骨伝導

食べまんねんなァ。チュチュウチュウチュウ、チュチュウチュウチュウ、チュチュウチュウチュウ、ヒック、ブブウロウグウ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

楽器を演奏してゐる時はどうしても自分目線で自分にのめり込んでしまひますが、本当はこれではいけません。バンドでも弦楽四重奏でも聖歌隊でもオーケストラでも、大事なのは周囲の音を聴くこと。自分が出してゐる音も含めた、音楽全体を聴くことです。

しかし自分の演奏に入り込んでゐると、それができなくなつてゆきます。そこにとらわれればとらわれるほど、自分の音に集中してゐるやうでいて、実際には何も聴こえてゐないのと同じことなのです。だからよい演奏をしやうと思つたらまずよい聴き手にならなければいけないといふことです。自分目線でなく一歩引いたところからのものにし、自分耳でなく他を聴く耳にするのです。しかし自分も疎かになつてはいけない。自分と他の間を往来するのです。

言ふは易く行ふは難し、ビジネス現場でも同じこと、自分の目線、相手の目線、上司の目線、顧客の目線、社会の目線、どれだけの目線を持てるかが大事だと思つてをります。

<今日の本歌>
桂枝雀『鷺とり』

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