第134回 メロス島事件と微軟公司
川走、イブとアダム礼盃亭を過ぎ、く寝る岸辺から輪ん曲する湾へ、今も度失せぬ巡り路を媚行し、巡り戻るは栄地四囲委蛇たるホウス城とその螺旋。こんにちは、大島雅己です。
そもそもITというものに対して、正体そのものがよくわからず、従って何をどうすればよいのか見当がつかない、という悩みを持つ人が結構いるのではないでしょうか。メディアも世間も毎日のようにITがどうしたのAIがこうしたのと言っていますが、そもそもの話を懇切丁寧に語ってくれる人はあまりいない気がします。
そういえばだいぶ昔ですが、Windows95が発売された時の騒乱状態を思い出しました。パソコンを動かす土台になるソフト、いわゆるOSというものです。パソコンがなければ意味がなく、それに土台なのでこれだけでは特に機能しません。しかし宣伝効果もあってか飛ぶように売れ、まさに猫も杓子もという感じで誰もがこぞってパソコンショップや家電店に列をなしていました。内容もよく知らぬまま騒ぎに便乗しただけの客もいて、パソコン持ってないけど買いました、などという街頭インタビューの様子がニュースで流れたものです。
ITは世の中を大きく変えた便利な技術ですが、必要に応じて使えばいいのであって、無理に取り入れることはないのです。
外出の習慣がない人は車を買う必要はないでしょう。食事は手間暇かけて作りたいという人に電子レンジは不要でしょう。本は紙でなくてはいけないと思う人に電子書籍は特にありがたいものではないでしょう。ブームだからという理由でバンドを組んだり猫を飼ったり日本酒を飲んだりするのはお勧めしません。
自分が何をしたいのか、自分にとって何が必要か、をじっくり考えれば道は見えるでしょう。
<今日の本歌>
ジェイムズ・ジョイス「フィネガンズ・ウェイク」