第1664回 コヘレト書と異聞総録
昼ビール片手に眺む相撲草。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
カール・ジンマー、ダグラス・J・エムレンの『進化』を翻訳したブルーバックスの『進化の教科書』(更科功、石川牧子、国友良樹訳)は、訳者の更科氏の前書きからシビれます。「ものごとを長々とむずかしく説明するには浅い知識で十分だが、簡潔にわかりやすく説明するためには深い知識が必要だ」とあります。効く。染みる。
知識が浅く曖昧であると、それを説明する方法も頼りなく、あれこれと言いつくろったり同じようなことを何度も繰り返したりすることになり、結局話は長くなり内容は理解し難いもので終ってしまうでしょう。
しかし本質を腹に落とし込んでいれば、本当に必要なエッセンスをズバリと言うだけでよく、核心をついた言葉ですべてを伝えることができるのでしょう。
大事なことは、短く、小さく、さりげなく伝えられるものです。しかし世の中なんだか逆の状態になっているように感じます。
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<今日の一唱>
カール・ジンマー他『進化の教科書』