第1665回 知魚楽とフラタニティ

赤ワイン捻る手先の乾きをり。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

『星の王子さま』のキツネ君との話は読むほどに感動的です。別れが来るとわかっているのに友達になる。別れが来れば悲しむに決っているのに仲良くなる。しかしだからといって、無駄な出会いなどではない。仲良くなる前の相手と、仲良くなった後の相手は全く別の相手になっていて、そのかけがえのない相手との出会いは自分の中の大事な価値をもたらす。キツネはそれがわかっていたから王子と友達になったのだ。コミュニケーションとはただ情報を交換するだけではない。そこには意志があり、気持ちがあり、感情があり、心がある。デジタルだけの情報交換で、どこまで追随できるだろうか。

(A面へ)

<今日の一唱>
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』

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