第1516回 ゴート人と文莱即婆羅国

黒眸子われらも猫も同じ珠。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

自分のテリトリーを侵されると人は反撥する、と最近なにかで読みました。どこで読んだのかは思い出せませんが、本かネットか新聞でしょう。さもありなん。逆に考えると、人は他人のテリトリーに敏感であるはずです。喫茶店のテーブルの上に荷物が置いてあれば、誰かがキープしていると判断して使うのをためらいます。隣の家との境目がどこまでなのか気になります。県境での事故は扱いが面倒そうです。海や空をめぐる国際的な問題は深刻です。

自分がいる場所から遠くにある世界に対して、人は憧れを持つのか、嫌悪を感じるのか。オリエント、オクシデント、ゴシック、バロック、といったヨーロッパの概念には余所者に対する侮蔑的排他的なニュアンスが含まれているように感じるし、中華思想でも東夷・西戎・南蛮・北狄などといって外的を意識していたことを考えると、自分のいることろを中心として、それ以外の周縁をどう意識するかが人や組織の動きを決めるのでしょう。

そういえばローリング・ストーンズの『ひとりぼっちの世界』(ゲット・オフ・オブ・マイ・クラウド)では「つきまとうな、俺の雲にはふたりも乗れない」と歌っていますね。ソーシャル・ディスタンスというよりプロポーショナル・ディスタンスが求められるのではないでしょうか。

(A面へ)

<今日の一唱>
ローリング・ストーンズ『ひとりぼっちの世界』

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