第116回 理論的知識と地獄変
ヤシの木かげより君のおかげ。わたしのブログより雑誌の付録。こんにちは、大島雅己です。
会社の中には、いわゆる「仕事のための仕事」がどうしても発生しますね。
会社は日々さまざまな判断を下していくことが重要です。いつ誰がどういう会議をするか、そのためのルールを作成しなくてはならない。段階を踏んで審議していけるように複数の会議を設定し、参加者や議論のルールを決める。会議に必要な資料や材料を定めて、その書き方を定義し、フォーマットやサンプルを用意する。会議に案件を起案したい場合の申請フローを設計し、そのための手順書を作り、起案のための申請書を用意する。もろもろ作ったものについて合意を得るために、会社に判断をあおぐ。ウーン、なんだか変なループに嵌っているような。
こういう仕事は極力減らしていきたいものです。社長がすべてを一存で決めてしまえば話は簡単ですが、そうもいかないのが組織というものか。
IT現場でも似たようなケースによく遭遇します。
システムを作りたいのでお金を下さいというので話を聞いてみると、エクセルを使えば解決するようなものだったり、あるいは、先に業務のやり方を見直した方がいいものだったりします。システム開発することが前提になっていてそこから中身を決めているような、本末転倒な話もあります。ITのためのITとでもいうのでしょうか。
19世紀初頭のフランスで起きた「芸術のための芸術」は芸術至上主義などと呼ばれましたが、IT至上主義には陥らないほうがよさそうです。
<今日の本歌>
爆風スランプ「ヤシの木かげ」