第1464回 バンコールと吸収線量
散髪のあとにひやりと隙間風。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
困った時に使える便利な言葉スィリーズ。「状況が違う」。これは便利です。過去の発言や見解を撤回したい時。今までの方針と異なる言動を正当化したい時。堂々と約束を破りたい時。このひとことですべてが解決する魔法の呪文です。
「この前は、こう言ってたじゃないですか」
「あの時とは状況が違うのです」
「いつもこうしているのに、なぜ急に変えたのですか」
「今は状況が違うのです」
「必ず今日までにやると約束したじゃないか」
「もう状況が違うのです」
すごい。詰問されているはずなのに、言い負かしている。責めている方が悪者のようです。こうなるともう、前例とか約束とは何なのでしょうか。その意味も霧消してしまいそうです。同じようなフレーズに「新たな解釈をした」というのもありますね。併用すれば向かうところ敵なしかもしれません。
そういえば経済学者ジョン・メイナード・ケインズは「状況が変われば意見を変える」と言ったそうですね。変えていいのは、意見、意思、主義、主張、信念、信条、信仰、指針、宗旨、ポリシー、どこまでなんでしょうね?
<今日の一唱>
ケインズの言葉