第1352回 トライボロジーと仕立屋銀次

そーれスレスレ、ゴマすれホイホイ(『ゴマすり行進曲』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

「擦る」も「摺る」も「磨る」も「刷る」もたぶん語源は同じで、表面と表面を合わせてある種の刺激を得るような意味なのだと推察します。内部まで入り込むわけでなく外面が触れる程度のイメージで、おそらくは「掏る」もそこから来ているのではないか。

これがやや鋭さを持つと「かする」となり、少し強めに繰り返せば「こする」となり、若干やさしい感じになれば「さする」となる。しつこくて嫌味を帯びた感じになれば「なする」で、かなり強くぶつかるレベルになると「ゆする」。食べ物をがつがつと噛み砕かずに表面的な食感を得たい場合は「すする」。表面的な記憶はそのうちに「わする」。

モノとの付き合い方にも様々なレベルがあると改めて感じ入ります。

(A面へ)

<今日の一唱>
ハナ肇とクレイジー・キャッツ『ゴマすり行進曲』

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