第1288回 酸化インジウムスズと注文短冊
便利を優先して感動を置き忘れてはいないか?(映画『ジャズ喫茶ベイシー』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
気になる本がある時、その場でネット検索して、体裁や価格を確認して、他人の書評や感想なども参考にし、時には最初の何ページかを読むこともでき、気に入ればそのまま購入し、電子書籍ならばすぐに読むことができる。出かける必要なし、立ち読みの後ろめたさもなし、何冊買っても持ち帰る苦労ゼロ、収納の心配なし。本を読み始めれば、気になるワードを検索でき、マーキングやメモは何度でも書き直し可能、その部分だけをあとで集積したり、他人の書き込みを参照したりもできる。
これだけ「便利」につながる要素があるにもかかわらず、私は書店に出向いて本を買うことをやめることがありません。本にまつわる感動や楽しさはそういったことにあるわけではないからです。
<今日の一唱>
映画『ジャズ喫茶ベイシー』