第1233回 リカード理論とノックダウン生産
天使より人の心惑わす悪魔の方が魅力的(石野真子『日曜日はストレンジャー』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
1976年のテレビコマーシャルで萩本欽一さんが2つの商品を両手に掲げて「どっちが得か、よーく考えてみよう」と語りました。このフレーズは当時大流行し、今でも時々ふっと思い出すものですが、考えてみればこれは深い命題です。
件のコマーシャルでは2つの商品に分量の差があることを挙げた上で選択を投げかけているのですが、多い方が得だと言わずに熟考を促しています。なぜ多くなっているのか。量が増えた分どこかに皺寄せが出ているのではないか。量が増えても密度が減っているのかもしれない。値段が比例して上がっていないか。品質を落として量を増やしたのではないか。何か条件付きなのかもしれない。
何をするにも一つの判断軸だけで是非を決めることはないはずです。
<今日の一唱>
石野真子『日曜日はストレンジャー』