第1217回 ベンハムの独楽と一切皆空
アルコールの川をゆっくり渡る長ぐつのリズム、心で酔いましょう(エゴラッピン『色彩のブルース』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
引き続き色の話です。「黒ずむ」と言うけれど「白ずむ」とは聞かない。「白ける」は使うが「赤ける」とは言わない。「赤らむ」はよくあるけど「青らむ」は通用しない。「青ざめる」は問題ないのに「黄ざめる」では意味がわからない。「黄ばむ」は日常語なのに「緑ばむ」は無理がある。「緑がかる」なら大丈夫でも「黒がかる」は怪しい。
こう考えていくと色の表現にも色だけに色々あって、それぞれの色に特色があり、中には異色を放つもの、音色が響くもの、気色ばんでいるもの、難色を示すものなどが色くらべをしているようです。
色の種類は何百とも何千とも言われますが、色相も彩度も明度もアナログに捉えてしまえばその組合せは無限に存在することになるはずで、そう聞くと俄然色めき立ってしまいます。
<今日の一唱>
エゴラッピン『色彩のブルース』