第1174回 Z項とクロックポジション

北へ行くのね。ここも北なのに(天野春子『潮騒のメモリー』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

人間が「方角」「方向」を意識した時、最初に基準としたのはやはり太陽なのだろうなあ。語源は諸説あるようですが、太陽が昇ってくる方向を「日向かし」とし、反対の日の入り側を「去にし」と呼んだようで、これが「東」「西」となったとのこと(「し」は風の意味だそうな)。

次に、日が動いていく方向を「身の面(みのも)」「目の面(めのも)」と言い現わしたところから「南」ができた説があるようです。光のある側、を意味するのでしょうか。

最後に残ったのは日が沈んだあとの闇であり、「きたなし」と同根の「北」になった説があるようで、なんとも悲しい扱いです。

いずれも全て人間の視点から見たものであり、宇宙の視点から言えば北極星が方角の基軸のような扱いになっているのは何だか皮肉な感じがします。何をするにも誰の視点か、どこからの視点か、を常に意識しています。

(A面へ)

<今日の一唱>
天野春子『潮騒のメモリー』

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