第924回 カイロスと融即律

私は諦めて目を閉じる。床の上で座禅を組みながら。もう25、6分で朝4時だ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

時計を見た時、3時35分をそのまま意識するか、4時25分前だと読み取るか。この違ひは、3時を基準にするのか4時を基準に考へるかの違ひですが、さらに広げれば「2時から1時間35分後」でもよいし、「5時の1時間25分前」でもよいわけです。逆に細かく言へば「3時30分から5分後」ともなるし、「3時45分の10分前」にもなる。つまりどこに基準を置くかによつて物事の様相は変はるし、それによつて受け取る印象も変化するといふことです。

時間は絶対的なものであると囚われがちですが、印象が変はれば体感時間すら違つてくるもので、同じ5分といふ時間でも一瞬で終はつてしまふこともあれば永遠に広げることもできるのです。

IT現場で扱ふ資源は、ヒトも、モノも、カネも、時間も、そして情報も、有限の世界に住んでゐるやうに見えますが、それは見る者の意識次第かもしれません。どんなスタンスでどのやうに対峙するか、どれだけ大事に扱ふかといふ、こちらの出方次第で相手は様相を変へるものです。

(A面へ)

<今日の本歌>
シカゴ『25 or 6 to 4』

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