第906回 大本営発表とアラブの電話
丸い卵も切りやうで四角、ギッチョンチョン、ギッチョンチョン、ブログも書きやうで角が立つ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
物は言ひやう考へやう、書きやう聞きやう捉へやうです。中身は同じであつても見方によつて、感じ方によつて、伝へ方によつて全く違ふものにさへ変はることがあるのですから、よほど注意しなければなりません。真実は一つだなどと油断してゐてはいけないのです。
一つの事象が人から人へ伝はる時、百パーセント完全な姿のまま受け入れられることは稀でせう。そもそも甲から乙に情報が伝はる時、甲が発信する時点で幾分かの損失或いは変質を伴ひ、それを乙が受け取る際に更にまた多少の歪曲や欠落が生じるはずです。これが丙丁戊己と伝播してゆけば伝送効率は指数的に低減すると覚悟すべきでせう。言葉にできるは武器になるのと同時に、言葉にできなければ致命傷にもなるといふことです。
IT現場は人とシステムとが意志を交し合ふ、コミュニケーションの坩堝です。正しい情報が正しく伝達されることが使命です。そのことに神経を研ぎ澄ますべきなのです。
<今日の本歌>
俗謡『ぎっちょんちょん』