第749回 ヤメ判とフランクフルト学派
世に伯楽あって然る後に千里のブロガーあり。千里のブロガーは常にあれども伯楽は常にはあらず。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
世の中には各ジャンルにその道の先人といふ存在があつて一般の人に向けてガイドをしてくれます。書物に関しては書評があり、音楽については音楽評があり、映画には映画評がある。もちろん評論する人にもいろいろいらつしやるので自分にとつて信頼できる評者を見つけたいものです。
本来評論といふのは評者本人がそのジャンルのプロであるべきだといふのが理想論かもしれませんが、現実には小説家でなくても一流の小説評論をされたり、映画監督でなくてもすぐれた映画評を書かれるかたがをられます。かういう人達は自分自身で創作こそ実践しないまでも、常人の何倍もその世界に身を置いて鑑賞してきてゐると思ふのです。
ITの世界でも、自分自身でプログラムを組んだり配線作業をしたことがなくても、その道に能動的に関はつていくことで審美眼は養はれていくはずです。それには、良質のITや、一流のシステム屋と数多く触れ合うことがポイントであると思はれます。
<今日の本歌>
韓愈『雑説』