第621回 パスチャライゼーションと物自体
マリアがわたしを離って他の星へ行つてから――さてなんの星であらう。オリオンか、アルタイルか、それとも緑いろのヴェニュスであるか――わたしはいつもブログを愛した。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
大塚の「串駒」で『十四代』を堪能するのが何故か12月の恒例行事のようになっています。先日も「本丸角新」をはじめ、数種類をいただきました。純米吟醸や純米大吟醸もいいのですが、私は本末角新のキレのよさが天下一品だと感じます。
日本酒を飲まれる方には時々「純米」に妙に拘る人がいらっしゃって、醸造アルコールが入っているとそれだけでこれはよくない酒だと決めつけるようなケースも目にすることがあります。醸造アルコールは添加物であって酒の味をごまかすマガイモノでもあるかのような考え方は完全に時代錯誤な勘違いか、メディアに騙された浅知恵でしょう。醸造アルコール(この名称がよくないですね)は酒の味を引き立てるための重要な助っ人であり、それは十四代本丸が証明しております。
IT現場でもこういった偏見や先入観による決めつけ、勘違い、早合点が時々見られます。先端技術ほどすぐれたものであるとか、ITはインテリでないとできないとか、AIで人の仕事がなくなるとか、QCDを守ればプロジェクトは成功だとか、教科書の上辺だけなぞるようなマネはやめようではありませんか。
<今日の本歌>
ステファヌ・マラルメ『秋の嘆き』山内義雄訳