第592回 スカラムーシュと信託統治領
リルの旦那さんが復員した時、遠慮なく言ってやったよ。お急ぎくださいお時間です。アルバートが帰ってくるんだからブログをちゃんとすれば。こんにちは、大島雅己です。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観ました。全盛期のクイーンを知らないはずの若い人達が大勢観に来ていたようで驚きです。私はもともとファンですが、それでも映画は新たな発見が多く、あらためてフレディ・マーキュリーの才能と生き方に感動しました。
ひとつ典型的なストーリーのパターンが印象に残りました。バンドが売れる→誰かが独立→バンド解体、という流れです。独立というのはソロ名義での活動を意味しています。必ずしもそれがバンドの不和に繋がるわけではありませんが、共同体の一員としての存在に不を感じて、自分だけの力量で脚光を浴びたいと思ってしまうと、たいていは悲惨な末路に陥るものです。
その共同体は各メンバー同士が刺激し合い反応し合ってイノベーションを起こしていたのです。それを自分一人の功績だと勘違いして、忠実な作業請負人だけを集めて同じようなことをしようとしても無理なのです。
IT現場のプロジェクトではどうでしょう。こちらが言ったことを黙って確実にそのまま実現してくれる実行部隊が、理想の仲間でしょうか。それとも、中身を一緒に考えて、時にはぶつかって反発したり、違う意見を出してくれる共同体であるべきでしょうか。
<今日の本歌>
T.S.エリオット『荒地』