第485回 フェルマー素数とてんびんの詩
旦那様。鞍馬から牛若丸が出でまして、その名を九朗判官。そうか、では、ブログ・ホーガンでも書いておきなさい。こんにちは、大島雅己です。
バンドではジャズやロックやブルースやソウルなど、古今東西の名曲をカバーすることが多いのですが、何をやるか決める際にはバンド内で話し合いを行います。大げさにいえば歌舞伎の世界定めです。どの曲を、どんなふうにやるのかを決めるわけですが、メンバー同士でアイディアを出しあうと、だいたいパターンが3種類に分かれます。
一つは、個人的に好きな曲を持ってくるというもので、バンドの力量も観客の好みもあまり考慮していないものです。二つ目は、バンドのテクニックを勘案した上で今の自分達に演奏可能なもの、という観点で選曲するケースです。これはバンド全体の視座に立ったもので、現実味があります。三つ目は、観客の嗜好も考えた上で、バンドとして何を提供すべきなのかを検討するパターンです。より高い位置からサービスというものを見つめた姿勢といえましょうか。
この3種の視点は順に個人→組織→顧客と広がり、サービス内容はWANT→CAN→MUSTと厳格になっていきますが、最終的にどこに落着するか、3つの要素をそれぞれどのぐらい叶えるものになっているか、がポイントですね。3つの要素をトライアングル型のレーダーチャートにした時に、なるべく大きな正三角形になるのが望ましい。
そう考えるとIT現場でサービスを考える時も同じで、関係するすべてのステークホルダーがハッピーになれるところを探すことが重要だということです。
<今日の本歌>
古典落語『青菜』