第136回 ブリティッシュ・インヴェイジョンと適応放散

ブログ解釈の第1課は、文にはじめて出る、前置詞のついていない名詞を、主語(主部の中心になる語:S)と考えて、これに対する動詞を捜してゆくことである。こんにちは、大島雅己です。

イゴール・アンゾフの成長マトリクスをバンド戦略にあてはめるとどうなるか。

(A)既存製品×既存市場
今までやってきた音楽の系統で勝負だ。活動の機会を増やしたり集客を活性化して多くの人に聴いてもらえるようにする。ジャンルは自分達の得意分野なので前向きに取り組めるはず。ただし領域が限定されているとレパートリーがマンネリズムに陥るリスクがある。そうなると倦怠感が漂い活動は停滞に向かうかもしれない。

(B)既存製品×新規市場
いままで相手にしてこなかった人達にも音楽を聴いてもらおう。時代はグローバルだ。ここは一つ海外に飛び立とう。アメリカン・ドリームかオフショア展開かカメロイド文部省か。得意分野の演奏を引っ下げていざ出陣。ウケるかどうかは未知の旅、ブルーオーシャン見つければ一攫千金夢じゃなし、見向きもされぬ暁にゃ、尻尾を巻いて退散か。

(C)新規製品×既存市場
これまでやってこなかった音楽ジャンルに挑戦。マンネリズムを打破し、「彼らは新境地を開いた!」と視聴者に喜んでもらうのだ。ブルース一辺倒をやめてロッテルダムテクノへ。モダンジャズ専門を脱皮して明清楽へ。ガレージロック一本槍から卒業してチカーノラップへ。うまく行けば音楽の歴史に新しい光明を与え高い評価を得るかもしれないが失敗すれば黒歴史となる。

(D)新規製品×新規市場
すべてを捨てて、グローバルに向けて、やったことのない新しい音楽を。これこそ成功すれば真の大物アーティストとして世界に君臨するでしょう。ビートルズかストラヴィンスキーかマイルスデイビスか。最も理想的で、最も難しい道でしょう。

IT戦略と同じく、Aをがんばりながらも、Dを意識しつつ、少しずつBCに手を広げていきたいものです。

<今日の本歌>
伊藤和夫「英文解釈教室」

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