第162回 ポランニーと虚航船団
君がそうやって言いたいこと一杯あるみたいに、他のブロガーだって言いたいこと一杯あるのにネー、君はその声を本能的に感覚的にしかとらえない。こんにちは、大島雅己です。
先日突然、中学生の頃に観た『ブッシュマン』という映画のことを思い出し、どうしても観たくなったのですが、もしかしたらDVDが出ているかもしれないと思いネットで探したら簡単に見つかったので買いました(現在のタイトルは『コイサンマン』)。
ITの利便性に感謝しつつも、映画の中身は全く正反対の世界を描きます。
カラハリ砂漠に住むサン人という狩猟採集民族の話で、そこには組織、地位、身分といったものがない。所有、物欲、富、経済、財産などもない。よって、競争、勝敗、嫉妬、怨恨、憤怒もない。学問、修行、効率、文明、時間という考え方も恐らくないのです。もしかしたら「サービス」という概念もないのでしょうか…?
はなはだ不便な生活だろうなあと一瞬思いかけ、いや待てそう感じるのは己の勝手な偏見だと思いなおす。彼らは恐らく、生活に「不」などないのです。不便も不満も、不服も不平も、不足も不安も不幸も不毛もない。今あるものが全てで、必要十分なのだから、人がとやかく言ってもどうしようもないこと(忌野清志郎詞)、です。
でもそんな彼らも、歌は持っていました。老若男女誰もが見事な歌声、ハーモニー、音感を。一体どうやって習得するのかわかりませんが、音楽がなければ人は生きていけないのでしょうか。
<今日の本歌>
二ノ宮知子「のだめカンタービレ」