第1631回 全的堕落とフンペリㇺセ

秋空がビールグラスに収まりて。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

石川梵監督の映画『くじらびと』を観ました。インドネシアの小島に住む人々のドキュメンタリーで、鯨漁で生計を立てている村の話なのですが、壮絶な映像の連続に度肝を抜かれっぱなしでした。

多くの気づきがありましたが、まずは生き物とは何かということです。どの生き物も命を長らえることが一番大事なことであり、そのためには他の生物や環境を犠牲にせざるを得ないという、この原罪をどう意識すればいいのか。

村人は神に鯨に感謝をし、しきたりを重んじ、伝統を尊重し、力を合わせ、命をかけて鯨を獲る、その姿は崇高でもあり感動的でもあります。その姿勢は鯨を捕食するというより共生していると呼んでもよいのかもしれませんが、鯨からしてみればただ残虐なだけで、とんだ災難としか言いようがないでしょう。

もし人類よりも上位の生物が登場し、人間を捕食しなければ生きられないとしたらどうなるのか。「食べるために殺す」という行為をどう捉えるのか。

ある立場でも美は、別の視点で醜にも悪にもなることをあらためて痛感させられたのです。

(A面へ)

<今日の一唱>
石川梵『くじらびと』

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