第1388回 ふどう膜と不動産フットプリント
コーヒーの香りにじわり汗にじむ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
リモート会議が直接の対話と違うところはいろいろありますが、絶対的なことは「目が合わない」という点だと思うのです。こちらがカメラを見れば相手は視線を得るけれど自分自身は相手の顔を見ていない。こちらが相手の顔に視点を合わせればカメラ越しの私の視線は相手にとってはずれていることになる。つまりお互いにアイコンタクトを取り合った会話はできない。
逆に、リアルの会話では相手の顔や体を凝視し続けることはないけれど、リモートであればそういうこともできるのです。直接向き合うことはない代わりに相手を見つめることもできるという、なんとも矛盾めいた構造だなと感じます。
これはリモートの仕組みがカメラを介している以上しかたのないことですが、もしパソコンやスマホの画面そのものがカメラの機能をも持つようになれば解消するかもしれません。
そういえば「カメラ=万年筆」という映画理論がありました。これにならえば「カメラ=画像モニタ」とでも言いましょうか。
<今日の一想>
アレクサンドル・アストリュック『カメラ=万年筆』