第1237回 エピステモロジーと阪急マルーン
緑のインクで手紙を書けば(梓みちよ『メランコリー』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
「茶色」とか「水色」とか「桃色」などは、モノの名前をそのまま色の表現に応用した呼び方だけれど、「赤」「白」「黒」「青」このあたりは最初から色を表す名称として存在していたように思われます。
「茶葉のような色だから茶色」であって、「茶色いから茶と名づけた」のではない。また、「体が赤味がかっているから赤ん坊」なのであり、「赤ん坊のような色を赤と定義した」のでもない。茶の場合は先に存在があってあとから名前がついた。赤の場合は最初から色として存在しておりそれが様々なものに当て嵌められたことになります。
モノがあって名前がつくのか、名前があってモノを認識するのか。モノを利用して名前を工夫するのか、名前を活用してモノを識別するのか。
<今日の一唱>
梓みちよ『メランコリー』