第1131回 ゼンガー事件とタニマチ文化
どこに何があるか、距離を置いてみるとわかるのさ(映画『ユージュアル・サスペクツ』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
餅は餅屋であり、その道のプロこそがその道に詳しいものでしょう。それはそうです。プロスポーツはその道を究めたトップアスリートが競うところが面白いのですし、一流アーティストが織りなす芸術は、素人には及びもつかない領域を魅せてくれるものです。極上の料理を味わうのなら熟練の調理師を訪れたいし、諸問題の正確な情報が必要な場合は専門家の意見が求められます。ド素人が首イ突っ込むんじゃないよと言われればそそくさと物陰に隠れるところです。
一方で、岡目八目とも他人の正目とも言いまして、第三者の目が重要なこともまた道理です。裁判員制度ができたのも、社外取締役のが奨励されるのも客観的門外漢的な視点を取り入れるためでしょう。
中にいる状態では却って中のことがわからない、仲間うちだけで固まっていると外の意見が聞こえない。望ましいのは、中の立場で外に立ち、外の視点で中を見ることです。
<今日の一唱>
映画『ユージュアル・サスペクツ』