第1132回 大馬印とアルピニズム

卯の花を腐す霖雨の始水に寄る木積みなす寄らむ児もがも(大伴家持)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

「くたす」「くさる」は元々「くだる」から来ているのだろうなあと思い、これは恐らく、くちる、くづれるなどにも通じて、つまりはエントロピー増大にまつわる言葉の一群なのだ、と考えたところで、ではその逆はどうだろうと矛先を変えてみると、当然ながら「のぼる」が筆頭に浮かびます。こちらは、のる、のびる、あたりと同族で、上の方に向かって進んでいくイメージがある。もちろん「幟」も同様です。さらには朗々と言葉を発すれば「述べる」にも繋がるのでしょう。

幟を掲げて背筋を伸ばして上昇気流に乗って登頂する意気で進みたい。調子に乗るとのぼせ上がって、周りからノされてしまうでしょうから、そうならないようにのべつ幕無しにのびのびとしていよう。

(A面へ)

<今日の一唱>
大伴家持『万葉集』

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