第517回 CASナンバーと自己成就的予言

どこまでいってもあなたの目には枯れた言葉が映っている。嘘を聞いてあげたらこう言うか。自分は確信のないブロガー。誰も知らないブロガーだと。こんにちは、大島雅己です。

音楽の「ジャンル」というものにいつも悩みます。いったいあれは何のためにあるのか。CDショップの棚を多少探しやすくするぐらいでしょうか。ジャズだロックだポップスだというレッテルを貼ったとたんに音楽のポテンシャルが型に嵌まって死んでしまうような気になるのです。

初対面の人とバンドの話になると「なにケーですか」などと質問されて閉口します。本当は実際の音楽を聴いてもらうのが一番なのですがそうもいかず、かといって込み入った議論をするのも詮無いことなので、結局「ジャズ系です」とか「ストーンズ系です」などと答えてしまって後悔するのです。

マイルス・デイヴィスはジャズの帝王という称号を嫌っていたはずで、存在自体がもはや一つのジャンルのようなものだから、称号なんかなくてもいいのですが、あえて呼ぶなら「音楽の帝王」でもいいぐらいです。

ネーミングやラベリングというのは大事ですが、定義があいまいな名称を使うとかえって本来の意味から外れてしまったりコミュニケーションギャップを発生させることもあるので、よくよく慎重にすべきです。

IT現場でも、よく使われる言葉をなんとなく扱っているとあとでとんでもない勘違いにつながることがあります。無理に格好いい言葉を使わず、具体的な実物を提示して会話するのが確実です。

<今日の本歌>
カルチャー・クラブ『カーマは気まぐれ』

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