第434回 ヴァールブルクと歪曲収差

隣の家から、男の子か女の子かはしらないが、子供の声が聞こえた。そして歌うように、「ブログを書け、ブログを書け」と何度も繰り返していた。こんにちは、大島雅己です。

ものごとは、鳥のように大局を眺め、虫のように細部を見つめ、魚のように流れを感じ取るべし、と心得ています。樹を見て、森を意識し、空気を感じる。油断するとすぐに、枝葉にとらわれて目的を見失ったり、先行きばかり気にして足元がおろそかになったり、総論をくり返すだけで周りが見えていなかったりして、失敗してしまいます。

ピアノの難曲に挑戦している時、細かいフレーズの指回しも重要ですが、全体の曲想やイメージをもっていなければ音楽としての魅力は出せませんし、曲の流ればかり追いかけても一つ一つの音が間違いだらけでは意味がありませんし、また、曲そのものを知っているつもりでもそこに込められたストーリーを理解していなければ上辺だけしか見えないでしょう。

IT現場でも同じことが言えます。自分が取り組んでいるシステムについて、細かい仕様に詳しくても全体像がわかっていなければいつまでもシステムに縛られ続けるでしょうし、トレンドばかり追いかけていても現行システムの保守を軽視しては何もできませんし、ロードマップのない理想論をいくら語っていても何も動き出すことはないでしょう。

構造を理解し、細部を大事にし、ストーリーを創造するということ、このマインドを持ってそれを語れるようであれば、もう相当に素敵なIT人です。

<今日の本歌>
アウグスティヌス『告白』

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