第1662回 リベルタンと躙り口
赤ワイン染むハンカチの白まぶし。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
「自由にしてよい」は「好き勝手にしてよい」とは違います。「自由時間」とは言いますが「勝手時間」となると穏やかではありません。「自由席」はありますが「勝手席」だと具合が悪いでしょう。「自由意志」は尊重されるべきでしょうが「勝手意志」は困ります。「自由業」はありますが「勝手業」とはキナ臭いですね。「自由が丘」は行きますが、「勝手が丘」は危険そうです。「自由」が付く政党名がいくつかありますが「勝手」が付くものはあまり聞きません。「自由の女神」は神々しいですが「勝手な女神」は物々しいですね。
つまり自由とは勝手に何でもしてよいことではなくそこにはルールや自律やフレームや責任があるということで、そこを間違えると大変なことになります。
そういえば『星の王子さま』のキツネ君も、「仲良くなるということは責任を持つことでもある」と言っていました。
<今日の一唱>
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』