第1661回 キネシクスと動機錯誤
濁り酒いつになく濃く染みてゐる。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
言葉は意思伝達の根幹であり基盤であり精髄であると言えましょう。言葉がなければ情報は伝わらず意思は疎通できません。言葉がその人の意思を伝え、受け取った相手は言葉によってその全てを把握することになります。
とすれば裏を返すと言葉は真に正しくその情報を表していなければならず、そこに僅かでも過不足があれば正しいコミュニケーションは成り立たないことになります。
はたしてそのような、情報の完全無欠なる状態とは実現可能なものなのでしょうか。無理だとあらば、完全な意思疎通は有り得ないことになります。
星の王子さまの友達になったキツネ君は「言葉は誤解の元になるものだ」と言っています。
<今日の一唱>
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』