第1601回 レガースと等質物語世界的

赤ワインぬる目で夏の昼下がり。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

引き戸のドアを自分の頭にぶつけたり、手が思わぬ場所にぶつかったり、物を掴み損ねて落してしまったりするのです。

空間認識能力の低下なのか体の動きが鈍くなっているのか惚けの兆候なのかわかりませんが、いずれにしても、自分でこうなるはずだと思い込んでいることなど何の保証もないことなのであり、自分の体の動きは自分が一番よくわかっているなどというのは寝言に過ぎず、むしろ自分の言動こそ最も信用できないものであると思っているぐらいがちょうどよいのではないでしょうか。

そういえば筒井康隆氏が『本の森の狩人』の中でアンドレ・ジッドの『贋金つかい』について語っていますが、自分こそが「信頼できない語り手」であると認識しておくべきなのかもしれません。

(A面へ)

<今日の一唱>
筒井康隆『本の森の狩人』

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