第1526回 階差機関とフレゴリ錯覚

爪をとぐ猫で傷負ふ竹婦人。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

パソコンやスマホのような機能が、自分の体にも備わっていたらいいのに、とよく思います。気になるフレーズで検索をかければ記憶を自在に取り出せる。どんなに複雑な計算でも正確に実施し、その情報はハードディスクを足せばいくらでも保持できる。いっぱいになったら外部のクラウドも利用すればいい。物を見る時は上から下から横から斜めから、自由に視点を切替、ピンチアウト・ピンチインで拡大縮小も自在だ。

しかしどうやっても人間の脳でなければできないこともあります。まったく突然に突拍子もないことを思いつく。喜怒哀楽好き嫌いの感情をもって他と接すること。既存の問題を解くのでなく新しい問題を考え出すこと。

そういえば。筒井康隆氏の『パチンコ必勝法』という短篇小説は、高名な物理学者が理論や道具を駆使してパチンコに挑む話でした。「理論」に対する概念は、「実践」だけでなく、「心情」でもあり「芸術」でもあり「閃き」でもあり「突飛」でもあり「混乱」でもあり「不可解」でもあり「幻想」でもあり「夢想」でもあり「幻影」でもあり「錯覚」でもあるのでしょう。

(A面へ)

<今日の一唱>
筒井康隆『パチンコ必勝法』

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