第1501回 プロメーテウスと十二因縁

春の宵風の森香の合ふ空気。にこんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

少なくとも私にとって世の中は知らないことだらけなのですが、知らないことにもいろいろあります。問題の解決方法を知らない場合、対応方法としては複数の策が考えられます。知っている人に訊ねる。書物やネット等の情報を追跡する。問題に立ち向かうことを避ける。問題を先送りする。問題を見なかったことにする。解決しないままでよしとする。

また、その問題が問題であることに気づかない場合もあるでしょう。その時は解決も何もしようがないので、何か別のところで支障が起こってから解決方法を考えることになります。

さらには、そもそもその問題の存在自体に気づかないこともあるでしょう。いや、大半のケースはそれにあてはまるかもしれません。問題に気づけば何らかの反応ができますが、気づかなければ何もしようがない。それが最も恐るべき状況でしょう。

そういえばカミュの『異邦人』に、「ひとはいつも、知らないものについては誇張した考えをもつものだ」というフレーズがありました。知らないことすら知らないものについては誇張すらできないのです。

(A面へ)https://spiraling.co.jp/blog/

<今日の一唱>
アルベール・カミュ『異邦人』窪田啓作・訳

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