第1492回 クオリアと円唇母音

燦燦はSUNのことかと辞書を引き。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

あおあおと茂る有様は目に優しい。かくかくと尖った状態は鋭さを持つ。すうすうとした雰囲気はうすら寒そうだ。たったっと小気味よい走り。ぬねぬねとしたいかにも粘っこい感じ。はふはふと息を漏らす如き音。もみもみとふくよかなものの感触。やゆやゆと小さき弱きものらしき様子。わんわんと広大さを感じさせる響き。がごがごと錆びついたような機械の動き。ざざざざと怪しい虫の這いまわる不気味さ。どでどでと重苦しそうに転がる岩石。ばびばびと無理矢理破壊されるような痛み。ぴぽぴぽと滑稽さを伴う可愛いトーン。

しかし、語感から連想される特徴が本当にその物の状態を表しているかは、やはり実物を確かめてみなければわからないはず。ものは見ようであり言いようであり聞きようであります。

そういえば井上ひさし氏は「個が公を圧倒する場面で、熱意が客観にうちかつ現場で、オノマトペは脾弱な動詞を助けてよく働く」とあります。どんな動詞をどう助けたいのかが問題です。

(A面へ)

<今日の一唱>
井上ひさし『自家製文章読本』

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