第1481回 ニケア公会議とジェルゴンヌ点
窓からの眺めで散歩したつもり。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
三角形のものを見ると無意識に中心点はどこだろうと考えてしまうものですが、三角形には内心と外心があったことを思い出しました。内心とは内接する円の中心であり、三つの角を二等分する線が交わるところ、外心とは外接する円の中心であり、三本の辺を二等分する線が交わるところ。同じように見えて全くの別物であり、たとえば内心は必ず三角形の内部にあるが、外心はハミ出ることもある。
人間の場合はどうでしょう。内に秘める内心と、外に現れる外心、どちらも自分自身であるけれど、別のものである。なるほど人間にも内心外心があるのだなと思ったところで、さらに続きがあることを思い出しました。
三角形には垂心とか重心というのもある。前者は、各頂点から対辺に引いた垂線が交わる点、後者は、各頂点から対辺の中点を結んだ線が交わる点。
なんだかもうどれでもいいよという気になってきますが、さらにさらに、傍心というのもあって、ある角の二等分線と、他二つの外角の二等分線との交点であり、全部で三つある。すなわちどんな三角形にも七つの心があるのだなと関心しては早計だ。驚くべきことに、他にもいくつもの中心があり、全部で5000種以上あるという。
三角形にそれだけ多くの心があるのだから、まして人間にも数えきれないほどの「心」があってしかるべきです。
そういえば三つのものが織りなす交差には三位一体とか三権分立とか三界流転とか三千世界など数多くの考え方があるように、神秘や真理が潜んでいるのかもしれません。
<今日の一唱>
アウグスティヌス『三位一体論』