第1451回 キューガーデンと休眠打破

錯乱の炸裂昨夜のサクソフォン。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

この季節の主役は文句なく桜でしょう。なにしろ国花の一つであり、歌のテーマとしてこれほど取り上げられる花は他になさそうだし、俳句では花の代名詞になるほど季語中の季語たる格があり、能も歌舞伎も文学も演劇でも一級の題材とし、そしてその花を見ることが国を挙げての一代行事であり季節を代表する娯楽であるという稀有な植物なり。

ここでふと考えなければならないのは、なぜ桜がそこまでの地位を確立したのか、です。景観の美しさ、散り際の可憐さ、花吹雪の神秘などは当然あるけれど、それだけでここまで人気が出たとは思えないのです。そもそも人間はそんなに桜のことを知っているのでしょうか。私自身は、桜が好きだといいながら、ではその花びらの形がどうなっているか、種がどんなふうにつくか、根がどういう具合に伸びているか、よくわかっていないし、絵に描いてみろと言われると悩んでしまうでしょう。花が散ったあとどんなふうに季節を過ごしているのか、どんなふうに受粉や結実するのかも説明できません。これだけ馴染のあるものなのに、よくわかっていないのです。知っていると思い込んでいるものは他にもたくさんあるのかもしれません。

そういえば桜を詠んだ最古の歌は日本書紀にある允恭天皇の「花ぐはし桜の愛でこと愛では早くは愛でず我が愛づる子」のようですね。1600年近く昔の情景ですが、当時の見る桜は今とくらべてどうだったのでしょう。それを見る人の心地や感覚は変わっていないのでしょうか。

(A面へ)

<今日の一唱>
『日本書紀』允恭天皇

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