第1443回 禅智内供とクロンキスト体系
脱げば冷え羽織れば暑しカーディガン。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
花と鼻を間違えると厄介です。花のような人、と言えば素敵な人を連想しますが、鼻のような人では意味がわからない。花柄のシャツは華麗だけれど、鼻柄のシャツは滑稽でしょう。花嵐は神秘的だけれど、鼻嵐は耳鼻科的です。花の毛は可憐な感じですが、鼻の毛はガサツな印象です。花が咲くのは喜ばしく、鼻が裂けるのはいただけない。花の蜜は甘そうですが、鼻の汁は辛そうです。
いずれも言わずもがなと思ったものの、ふと立ち止まってよくよく調べてみれば、意外にも花と鼻は同じ語源でありました。「はな」は「端」であり、はじにあるもの、何かの先にあるものです。確かに、花は植物の突端、鼻は動物の突端と言えましょう。花に風は付き物で、鼻に風邪も付き物です。花粉は花から鼻へと移りますし、花紋も鼻紋も文様に使われます。外気の環境に敏感に反応するのも同じです。
全く関係ないと思っていたものが実は根が繋がっているケースはあちこちにありそうです。
そういえば「はなむけの言葉」といえば花束を贈るようなニュアンスから来ているものと思っていましたが、実際は馬の鼻のことですよね。漢文の授業で教わった記憶があります。
<今日の一唱>
王維『送別』