第1336回 マルタ十字とランダム化比較試験
部屋のなかはもの陰でいっぱい(ランボー『みなし児たちのお年玉』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
世界地図の一部などを見ていると、陸と海を逆に捉えていたりして、いったいどこの場所なのか全く見当がつかないことがよくあります。
おなじみルビンの壺は地と図の関係を逆転させることで物の見え方が全く違うものになることを示唆するわけですが、考えてみれば地表を見る時に海の方が背景で陸の方が主役だと思うのは勝手な決めつけであって、水を主体と考えれば土壌を背景にして海がどう広がっているかを示すのが地図の役割になります。
サウナでは休憩の時がメインイベントだと聞いたことがあります。音楽の演奏では休符が音声に表情をつけます。手品では見えていない方の手が重要な動きをしているはずです。
日常の中で何気なく主体だと思い込んでいるものがたくさんありそうです。
<今日の一唱>
ランボー『みなし児たちのお年玉』堀口大學訳