第1294回 フーチングと純粋持続

初歩的知識を材料にして、それのもっている本質を根本的に反省するということなのだ(二畳庵主人/加地伸行『漢文法基礎』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

新しいことを身に着けるにはいくつかの手順があるものですが、子供のころから言われてきたのが「基礎を覚えて応用で伸ばす」方法でした。基礎とは、否が応でも知らなければならない必要最低限の根本的な知識や技術で、漢字を何十行も書き写したり、アエイウエオアオなどの発声練習をしたり、ひたすらランニングをしたりするのと同様に、何度も繰り返し行い、体に染み込ませるものです。

誰でもできることでありながら、正しいやりかたで無意識に何時間でもできるようにするには気を入れなければなりません。無意識に繰り返すとはいえ、そこに気が入っていなければただの徒労に終わってしまうのです。

さらに重要なのは、どんなに熟練した状態になっても、いつでも基礎に戻る体勢ができているかどうかです。無意識になるとは手放すわけではなく自分の中のOSのような存在にするということです。

(A面へ)

<今日の一唱>
二畳庵主人/加地伸行『漢文法基礎』

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