第1151回 ウェヌスのえくぼとジョルダン曲線

ビヤホール背後に人の増えきたり(八木林之助)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

背中の背の古形は「そ」だそうで、これは「そと」から来ているとのこと。「せ」「そ」「と」「そと」「そとも」は自分とは反対に向かうもの、離れていくもの、つまり「そむく」もの、「そっぽを向く」もの、あるいは「そる」もの、はたまた「それる」もの、ということでしょう。

反対に自分とともに進むものは「うち」であり「なか」「おなか」であり、「うつむ」いて「うちあける」もの。しかしこの相反する構造は、刻一刻と変化します。背に腹は代えられぬとはいうものの、向きを転じれば入れ替わってしまうし、境界線の引き方によって内にも外にもなるものです。

どちらが背後でどちらが前面なのか、あるいはどこが側面でどこが上面でどこが底面なのか。それがどう移り変わっているか。3つぐらいのカメラを常に持っていたいものです。

(A面へ)

<今日の一唱>
八木林之助の句

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