第1135回 オルペウスと夜久毛多都

鳥辺山をうとうている(『恋飛脚大和往来』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

うた、と言えば「歌」「唄」「詩」が代表的な字ですが、他にも「謡」「詞」「唱」「詠」「誦」「吟」など含めて大量にあるようです。言葉に緩い抑揚が乗ったものもあれば、朗々としたメロディに歌詞をつけたものもあれば、意味よりもリズムが前面に出たものなど、表現の形式や方法がきわめてバラエティに富んでいる芸術なのだと感じ入ります。

ウタは思いをウッタえるものであり、言葉をウチアウものであり、感情を外にウツすものであるのでしょう。そうして表現しあう状態を言祝ぎ合うのがウタゲとなる。その出どころは自分の中、つまりウチです。感情の入れ物は即ちウツワであり、それはウツロであり、ウツツであり、ウツケです。さらに、相手の心情がどんなものかと訝しく思う場合はウタガウとなる。

歌うことは自分の内面と向き合ってそこにあるものを外に吐き出す行為なのです。これがコミュニケーションの根源でありITの根幹とも言えます。

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<今日の一唱>
歌舞伎『恋飛脚大和往来』

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