第1125回 ポライトネスと敬天愛人

自分を助ける最良の人は自分(映画『マダム・イン・ニューヨーク』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

自分のことは自分が一番よくわかると言い張る人もいれば、自分のことこそよくわからないものだと主張する人もいます。ある時は岡目八目、さる時は灯台下暗し、どちらが正しくどちらが間違いとは言えませんが、それはさておき、自分を表す一人称代名詞の種類は数えきれないほどあります。

井上ひさし氏は著書『私家版 日本語文法』の中で、「日本語の代名詞は、常に相手と断絶状態におちいるのを防ぐことを主なる目的として用いられるのではないか」と推察し、これを「相手に合わせての自分定め」と称しています。相手を敬う時は「私」「不肖」「拙者」「弊社」だし、相手と対応になりたければ「僕」「うち」「こっち」などと言ったりする。つまり周囲との関係性によって自分の呼び方を変えているわけで、関係性を重視する現れのようです。

とすれば自分に対して自分のことを心の中でどう呼んでいるかによって自分の心持ちがわかるのかもしれません。

(A面へ)

<今日の一唱>
映画『マダム・イン・ニューヨーク』

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