第1080回 カシュルートと夏への扉

草臥れて宿かる此や藤の花(松尾芭蕉)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

「くたびれる」は、朽ちる、腐る、くたす、あたりから来ているようなので、疲れて体がダメになる感じでしょうか。「草臥」と当てるのは文字通り草むらの上に寝転がっているわけですが、詩経にある言葉だそうで、粋な借用です。

体を駆使すればやがて疲れて、活力も朽ちて、そのまま放っておけば傷んでしまいます。ヘタをすれば怪我や病気に陥るかもしれません。そうならないためには休養し、エネルギーを補給し、体力を回復しなければなりません。これは世の中のあらゆる構造体の持つ宿命であって、構造体としてのライフサイクルを次世代に繋げていくためには休息と補食は欠かせないことです。人間だけにとどまらず、糠床もダムも自動車も住宅も情報システムも同様でしょう。

もし構造体が損傷を負っていたら、休息が足りないか、栄養が不十分かをまず疑うべきなのです。

(A面へ)

<今日の一唱>
松尾芭蕉『笈の小文』

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