第1078回 有限状態機械とトロイカ体制
優れた判断そのものが、そうそうあるものではない(ジャレド・ダイアモンド)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
組織としての判断をスピーディに下していくにはどうすればよいか。検討する時間を短縮すれば充分な判断材料が得られないかもしれないし、関係者間の合意形成も充分にできない恐れも高い。判断の質を上げようとすれば充分な稟議を回すことになってそれだけ時間もかかってしまう。ビッグデータの活用やAIによる問題解決などを利用して短時間で高速な判断材料の処理が可能になるとしても、その妥当性や蓋然性の最終判断と責任は人間が行わねばならないはずです。
いや、それどころか、材料が豊富に揃えばそれだけ人間が考える余地がなくなっていくのと同時にそれらを本当に信用してよいかという判断の負荷も上がっていくことになり、ますます判断に至るプロセスはハードになるのではないでしょうか。
適切な判断材料を充分に揃えることは重要ですが、それ以上に、誰がどういう考えで判断を下すのか、そのプロセスを磨き続けていかなければならないはずです。
<今日の一唱>
ジャレド・ダイアモンドほか『知の逆転』