第1052回 ウーシアと結婚定理

桃李もの言はざれども下自ら蹊を成す(『史記』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

どんなに素晴らしいものがあつたとしてもその存在が誰にも知られてゐなければ、ないのと同じことなのかもしれません。しかし、決して存在しないわけではないのだから、ないのと同じと言つてしまつてはいけないはづです。

少なくともそれが誰かの創り出したものだとすれば、創つた当人にとつては紛れもなく存在するものです。それが他人の目に触れ、第三者の知るところとなり、広く世間に流布するまでに時間がかかつてゐるだけの話です。その時間を短縮するために努力を惜しまないことが重要だと思ふのです。

現在は誰でも簡単に素早く情報を発信することができるやうになつてゐるし、情報を探すためのツールも方法も潤沢にありますが、それだけに、情報が氾濫し過ぎて、必要なものを見つけ出すことが困難になつてゐるとも言へます。

つまり、ものは溢れ過ぎるとやはり存在感を失つてゆくわけです。必要なものを必要とする人に届けることが今最も必要なことです。

(A面へ)

<今日の一唱>
司馬遷『史記』李将軍伝賛

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