第1036回 オートファジーと故障率曲線

ふりはへていざふるさとの花見むとこしを匂ひぞうつろひにける(読人知らず)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

あらゆるものは常に変化してゐるはづです。黙つてじつとしてゐるやうに見えるものであつても細かく観察すれば何らかの変化を呈してゐるものです。

生物は当然ながら常に代謝を行ふことで外界との反応を繰り返し老化を辿つてゐます。金属のやうな無生物だつて空気と触れ合ひながら風化してゆきます。真空状態とか絶対零度などを持ち出すと話が違つてくるのかもしれませんが、さういふ特殊な状況は一旦置いておきます。

とにかく日常生活の中に於いては全てが刻一刻と変化してゐて、大雑把に言へばそれは破滅の方向に進むものだと捉へてゐます。だから、出された食べ物はできるだけ早く食べ、つがれた飲み物はなるべく早く飲む癖がついてしまひました。放つておいたらどんどん風味が損なはれてしまひさうだからです。

さう簡単に物がダメになるものかといふ声もありますが、いえいえ人も物も時もあつと言ふ間に姿を変へるものです。いつまでも同じままであるものなど存在しないのです。

(A面へ)

<今日の一唱>
読人知らず『古今和歌集』巻十441・紫苑

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