第1030回 ポッホハマー記号と72の法則
世界のむすめが手に手をとれば、海のまはりに輪舞ができよ(ポール・フォール『輪舞』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
数の論理を味方につけるべし、といふことです。1人の力は微々たるものであつても、2人揃へば倍になる。それがダブルになれば4倍。折り返して8倍。もうすでに最初の面影は見えないほどになつてゐます。10回繰り返せば1000倍を越えます。恐るべき数の論理。バイバインといふ薬品の怖さがわからうといふものです。
何も等比数列でなくてもよいのです。どんなに小さな公差の等差数列であつてもプラスであれば着実に数は増えてゆきます。この場合は時間も味方になります。1日1時間の修行でも1年続けば365時間ですから相当のことが身につくはずです。
もしここに少しでも等比数列を取り入れてゐたらどうなるか。修行時間を前日の「1%増し」にした場合、1日目が1時間なら翌日は1時間36秒、1週間後は1時間3分と少々、と最初ぼうちはほぼ変化を感じませんが、1か月後は約80分となり、半年後にはほぼ6時間です。10カ月を過ぎたあたりでほぼ丸一日修行で、その頃の累計時間は疾うに2300時間を越えてゐます。
日々の歩みがどんなに小さくても数の論理と時間を味方につければ勝負できるといふことです。
<今日の一唱>
ポール・フォール『輪舞』山内義雄・訳