第1015回 ウロボロスと反響定位

「いたづらにすぐす月日は思ほえで花見てくらす春ぞ少なき」(藤原興風)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

赤信号にぶつかるたびに「自分が渡らうとすると決まつて赤信号だ、まつたく運が悪い」と思ふのですが、よくよく振り返つてみれば実はそんなことはなく、青信号の時のことは忘れてゐるだけのことなのです。都合の悪いことやショックを受けた時の印象だけ心に引つかかつてゐるのです。

かういふバイアスのやうなものが他にもいろいろあつて、物事を本当に客観的に判断するのは難しいものだと実感します。時間の流れだつて誰にでも平等で常に一定だと思つてゐるけれど、同じ5分が一瞬で過ぎてしまふこともあれば永遠に感じることもあるやうに、結局は感覚によつてどうにでも捉へられてしまふものです。

さう考へれば、タイムマネジメントの重要さも痛感されます。自分の心一つで時間を無限に広げることだつて可能なはづです。

(A面へ)

<今日の一唱>
『古今和歌集』

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