第1007回 動物磁気とシュリンガーラ
「ロボットくんが動き出すよ、ギーガギガギガすごいだらう」(『おもちゃ屋ケンちゃん』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
今朝の新聞に「これからは政治家のトークもリポート型からラポート型の時代へ」(言語学者・東昭二教授)とあつて、なるほどと思ひました。「リポート」(report)と「ラポート」(rapport、ラポール)は元々同じ語源から出たもののやうですが、前者は情報を客観的一方的に伝へるものであり、後者は話し手と受け手が信頼関係をもつて相互に共感するイメージです。
ビジネスや人間関係でもこの両者を使ひ分けることが重要だと言はれますね。事実を正確に伝へるべき研究報告や連絡事項などの場合はリポートが必要でせうし、商談やプレゼン、クレームや問合せの対応などはリポートよりもラポートが大事でせう。
IT現場でも、情報共有が大事だとよく言はれますが、ただ単に情報を伝へて終はりだと思つてゐてはダメで、それによつて自分がどう思つたか、どう考へるべきか、相手に何を感じてほしいか、互ひに何を共感すべきか、が大事なことです。情報共有よりも情緒共感と言つた方がよいのかもしれません。
<今日の一唱>
宮脇康之『おもちゃ屋ケンちゃん』