第803回 ミネルヴァの梟とケプストラム
進め進め進め、スペクトルマン 地球をねらうブロとグー 怪獣どもをやつつけろ フラッシュ スライス ギムレット。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
一般的に男児はヒーローもののテレビ番組や乗り物系の玩具に執拗な興味をもつ傾向が大きいやうですが、その科学的な根拠については勉強不足にしてわかりません。ホルモンなどの事情があるのでせうか。
私も幼稚園および小学生低学年あたりまで様々なヒーローに熱中してきましたが、そんな中にスペクトルマンという作品がありました。当然ながらスペクトルといふ言葉を覚えたのもこの番組です。ギムレットが錐の意味であることは後年の発見です。
しかし今になつてあらためて注目したいのは悪役の宇宙猿人ゴリの存在です。ゴリは悪役でありながら天才科学者でもあり、彼の目的は地球の美しさを守ることでした。ゴリにとつては、美しい地球を汚染している我々地球人こそが悪者であり、駆逐すべき敵なのです。さうなると本当に悪いのはどちらなのかと、ふと考へ込んでしまひさうになります。
確かに、いかなる目的があらうとも、他人の持ち物を不法に奪ふことは犯罪ですし許されることではありませんが、平和的な手段に訴へれば問題のないことだし、むしろその方が発展的な結果につながり双方に益を齎すことにもなりませう。
つまり彼らは国連本部と真摯に交渉を行つて地球の資源を守る環境運動を指揮するとか汚染防止の研究促進に力を貸すといつた活動を行へばよかつたのです。目的に向つて周囲の関係者を排除するのでなく、ともにその恩恵に預る道を探るべきだつたのです。
ビジネスでも、目的に向かうために様々な課題や障壁にぶつかります。その時に、それらを無条件に排除したり駆逐することだけを考へるのではなく、それらのよいところを活かしながら共存できる方法を見つけられたらすばらしいことです。
<今日の本歌>
うしおそうじ『スペクトルマン』