第1002回 アガスティアの葉と炭焼き長者
「長き夜のとおのねむりの皆目醒め波乗り船の音の良きかな」(回文歌、作者未詳)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
科学的な根拠がはつきりしない話、あるいは、理論的に辻褄が合はない話について、皆様どう思はれますでせうか。たとえば種々の占ひ、風水、言ひ伝へ、まじなひ、迷信、ジンクス、縁起、心霊現象、験担ぎ、吉兆、言霊、忌み数、都市伝説、鬼門、運命、宿命、仏罰、因果、カルマ、縁、マーフィーの法則、などなど。
人智を越えた何かが作用してゐると考へて全面的に受け入れるか、エヴィデンスのないものは信用しないとはねつけるか、拒否するでもなく信頼するでもないけれど好結果につながるなら信じてもよいかもしれないと消極的に肩入れするか。あるいはまた、占星術は信じるけれど風水は信じない、とか、家訓の言ひ伝へは絶対だけれどそれ以外のものは気にしない、とか、オカルトは知らないが縁起は気にする、など、ものによる人もあるでせう。ポイントは、自分が何を信じるのか、それは何に基づくものなのか、そのことを充分に意識してゐるかどうか、です。
IT現場でも、自分が、あるいは関係者の人々が、何をどう信じてゐるか、それは何に基づいてゐるかを理解することが重要です。そこからさまざまな合意形成が発生します。
<今日の一唱>
回文歌『運歩色葉集』